さがしてみたい東上家【独り立ちでお部屋探し編】
東上家の長男、浩一の就職が決まった。
「これを機に、独り暮らしをしてみたいんだ」
と、浩一は母の弘子と父の雄大に相談をすることにした。
「そう。でもお金は大丈夫なの? 昔はけっこう最初にお金がいったのよ。敷金が2か月とか、礼金もかかるでしょ」
弘子は20年以上前になる自らの学生時代を思い出しながらそう言った。しかし、浩一はどうということはなさげな様子。
「うん。でもさ、そうでもなかったりするんだよ、今。フリーレントとか敷金礼金ゼロとか、やっぱりキャンペーンとかあるみたいなんだ。その初期費用を安くできる部屋を何個か探してみた」
そう言って、プリントしてもらった部屋の情報を両親に渡す。
「すごいわね、これなんて新築じゃない! え、8月まで契約金10万円ってなにそれ新築でしょ?」
「新しいのもいいが、住みやすい環境も大事だぞ」と、父、雄大は西友の近くの建物を気に入っているようだ。
「うーん、フリーレントってなんだ……敷金もとられたりとられなかったり、いろいろなんだな」
雄大は聞き慣れない言葉に首を傾げつつ、息子がどんな部屋に住みたいのかじっくり紙を見ている。
「家賃を最初の何か月か……うーん、なんていうか、お試しじゃないけど条件つきとかで無料にできる部屋があるんだよ。
あくまでキャンペーンとか大家さん相談らしいから、部屋ごととか時期によっていろいろ違ってくるらしいんだけど。
うまくいけば新築とかでも敷金とかの初期費用は意外と安く済む場合があるみたいなんだ」
でも、もう少しくらい背伸びしてみようかな、と他の賃貸も気になる様子の浩一。こつこつバイトをして貯めておいた通帳の数字とにらめっこしている。
「うん、クリーニング代は必要とか部屋によっては書類の方に書いてあるな。しっかり確認したいから、今度一緒に相談してみるか!」
その後休日に東上不動産へ引越し先の相談に向かう家族3人であった。
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